栃原岩陰遺跡では、小型の石器がおよそ4700点出土していますが、これまでは、石鏃と代表的なスクレイパー類の一部を展示しているのみでした。
しかし、ここまでの研究では、厚さ約560cmの遺物包含層の中で、深さによって内容が変化することが分かってきています。
例えば、-400cm以下では、小型三角形の石鏃や拇指状掻器(皮なめしに使う石器)が多いこと、小型で板状の原石が含まれることがあげられ、逆に-300cmより上の層では、やや大型の石鏃や、残核(石器製作に使われなかった部分)、さらに黒曜石以外の石器も目立つようになるなど、いくつかの違いが認められます。
今回は、これらが視覚的に分かるような展示を目指してみました。解説と合わせると、時期による変化を理解してい頂けると思います。 きっとそこには、道具の変化だけでなく、黒曜石をはじめとした石材の入手方法など、縄文人のライフスタイルの変化が隠されているのでしょう。