縄文時代の遺物と言えば土器や石器が一般的ですが、これは土器石器が土の中でも腐らずに残りやすいためです。そしてもちろん、縄文時代の生活が、土器と石器のみで成り立っていたわけではありません。ですから条件さえ良ければ、動物の骨、植物遺体、貝殻、またそれらを材料にした道具などが見つかることがあります。
栃原岩陰遺跡は、山間部の遺跡としては非常に珍しく、これらが多量に出土しており「1万年前のタイムカプセル」とも呼ばれます。しかし、このうち骨角器と呼ばれる動物の骨や角や歯で作った道具については、研究があまり進んでいません。シカやイノシシなどの動物を解体し、骨を割って磨いて仕上げたことは確かですが、形状も不可解なものが多く、なんのための道具か分かっていないものが多いのです。
今回はこの骨角器の類を、なるべく一箇所に展示してみました。皆さんも実物を見て、骨角器の謎に挑んで見てください。
現在、およそ70点の骨角器を展示しています。