トップ北相木村ブログ「30年前、まだIターンという言葉がない頃、 北相木の生活に憧れて移住してきた夫婦のお話」

「30年前、まだIターンという言葉がない頃、 北相木の生活に憧れて移住してきた夫婦のお話」

4月25日夕方、佐久市にある佐久医療センターの玄関ホールに、大勢の人だかりができた。入院患者さんや病院スタッフ、お見舞いに来られた方や老若男女、様々な方々が集まり、その視線の先には、ミュージシャンで北相木在住の井出正さん、教子さん夫妻の姿があった。
一昨年、妻、教子さんは突然急性骨髄性白血病を発症し、長い間佐久医療センターで闘病生活を送り、その末にみごと重病を克服した。病気と闘った場所で“ありがとうコンサート”と題しトーク&ライブを開催したのだ。
病気発症当時を振り返ってみると、その事実を知った多くの村民は、もう帰ってこれないんじゃないかと思った程本当に心配し、重苦しい雰囲気になった事を記憶している。
身近にいた夫、正さんもどんなに辛く心細かったのだろう…。
月日は流れ、退院ができると話が飛び込んできたときは、正直なところ「本当に?」って思うくらい驚きと喜びが爆発した。
そして、再びマイクの前に立てる日が…。私が聞いたのは村の文化祭のステージだった。運営スタッフとして舞台裏で聞いていた時、滅多に感情を表に出さない自分だが、感極まった事を思い出した。
コンサートでは、題名の如く、支えてくれた医療スタッフの皆様や、仲間たち、そして家族に「ありがとう」というメッセージが心にしみる様に伝わってきた。
同時に、今まさに闘病生活を送っている方々の応援歌にもなったのではないだろうか。

ありがとうコンサートの写真

今、地方創生事業がどこの自治体でも積極的に進められているが、住みたくなる地域の重要要件には医療や福祉の充実が求められる。佐久の地には佐久総合病院など大変充実した医療機関がある事はまさに地方創生の核となるものだと思う。小規模自治体で構成されている佐久地域にあってはその核を活かした広域連携を益々強化していくべきだろう。
そんなことも考えさせられたコンサートでもあった。
コンサート終了後に声をかけると、音楽機材の撤去を黙々と進めている正さんの目に光る物があった…。
何の親戚関係もない北相木村に、ふらっと30年前移住してきた二人が、今や多くの村民から親しくされているのは、勿論本人たちの努力もあろうが、北相木村の人たちの暖かさは何事にも代えがたい地方創生の資源だと思う。

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