3月17日、栃原岩陰遺跡 mini フェスティバル「信州の縄文時代は本当にすごかったの?ー八ヶ岳の西と東ー」が、オンラインで開催されました。事前予約では用意した90席が満席。当日は60名ほどの参加者でしたが、反応の多さは予想以上で、申し込みが叶わなかった方には、お詫び申し上げます。
さて、その反応の多さも、やはりお呼びした2人のゲスト、長野県富士見町の井戸尻考古館館長小松隆史氏と、数々の縄文関連本を書かれている文筆家譽田亜紀子氏のお力です。
実はお二人には、2019年に北相木村にお出で頂き、トークイベントを行う予定でしたが、台風19号による災害で当村も大きな被害を受け、残念ながら中止となってしまった経緯があります。そしてその後もコロナ禍の中にあり、今回オンラインでの開催となったわけです。
オンライでの画面の様子。写真とゲストのトークで進行します。
今回は難しいことは考えず、八ヶ岳西側の井戸尻遺跡群、東側の栃原岩陰遺跡から、とにかく素敵な遺物を紹介し、信州長野県の縄文遺跡の魅力に迫まろうという企画でした。
小松館長からは、井戸尻遺跡群の遺物の中から学問上極めて重要な土器や、館長自らが発掘した思い出深い土偶などを、当館からは栃原岩陰遺跡の貝製品や骨製縫針、飛騨地方に多い土器などを紹介。それを見ながら、譽田さんからは誰もが思う素朴な疑問や、研究者顔負けの新しい視点をぶつけて頂き、話はやがて縄文農耕論にも及ぶ深みを得ることができました。
縄文時代や考古学的な知識を説明するだけでなく、ちょっとした裏話から、考古学の楽しさ、研究することの意義をお見せしたつもりですが、いかがだったでしょうか?
終始笑顔のゲストのお二人。楽しいことは大切です。
オンラインの強みは、遠方の方や移動が困難な方も参加しやすい点や、チャット機能により質問をリアルタイムで拾える点などがあります。
今後も、様々な方法を試しながら、考古学の魅力をお伝えできればと思います。