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「栃原岩陰遺跡フェスティバル2016」終了!!

栃原岩陰遺跡フェスティバル2016 TOCHIBARA ROCK FESTIVAL 2016 shelter site 開催日時 10月9日(日曜日) 集合場所 北相木村中央公民館と書かれたポスター

今年も開催されました、栃原岩陰遺跡フェスティバル。通称「栃原ROCKフェス」。今年のテーマは、海!
しかし、当日の朝は雨。そして、東京からの新幹線が遅れているという情報があり、講師やスタッフが時間に間に合わないかもという、波乱の幕開けとなりました。果たして、無事オープニングを迎えたのでしょうか…。

 

基調講演中の写真

町田賢一先生の講演中の写真

午後1時、結局新幹線は20分程遅れたものの、皆さん予定通りの時刻にお越し頂き、定刻通りに始めることが出来ました。
まずはステージ上に、今回のスペシャルゲスト富山県の町田賢一先生が登場。自らが調査された、富山県富山市の「小竹貝塚」の成果から、海辺の縄文人の生活を紹介して頂きました。安定の分かりやすいトークで、とても勉強になりました。

トークセッション中の写真

藤山先生と町田先生のトークセッション中の写真

次に、レギュラーゲストの明治大学藤山龍造先生にもご登壇頂き、トークセッション「栃原岩陰遺跡の人々は、海を見たか?」の開始。
標高930メートル、海からはおよそ150キロメートルの山国にある栃原岩陰遺跡で、海の貝が130点近く見つかっている不思議。その謎に挑むというものです。結論はなかなか出ませんが、当館館学芸員の不躾な突っ込みにも丁寧に応えて頂いたお二人のゲストのおかげで、様々な可能性を提示出来たと思います。
打ち合わせゼロで挑んだトークセッション、いかがでしたでしょうか?

子供達が弓矢体験している様子の写真

後半は、各種体験コーナー。
定番の弓矢体験は、スタッフの丁寧な指導で、何度か的に当たっていましたね。
山崎さん、栗田さん、ありがとうございました。

縄文食を試食中の写真

縄文食?も実は2回目。
以前はイノシシに近いブタ肉と、最近話題の大豆(縄文人が、ダイズやアズキの仲間を食べていた可能性が高まっているのです)を一緒に煮込んで、塩と少々のごま油で風味を付けたものを提供しましたが、今回はテーマが海ですから、これにアサリを加えてみました。
意外と好評?で、ほぼ完食でしたよ。
杉木さん、尾崎さん、山村留学センターの楠川さん、ありがとうございました。

子供達が貝殻を使ったアクセサリーづくりをしている様子の写真

完成した貝殻のネックレスをつけている子供たちの写真

さらに今回の目玉。貝殻を使ったアクセサリーづくり。
上に書きましたように、栃原岩陰遺跡では海の貝を加工した製品が100点以上出土いしていますが、これをもとに、アクセサリー作りに挑戦です。指導にあたって頂いたのは、大阪のきしわだ自然資料館の皆さん。なんとこのために、遠路はるばるお越し頂きました。
用意したか各種タカラガイやその他の材料を使って、穴を開けたり削ったり磨いたりして、個性豊かなネックレスを作りました。
風間さん、児嶋さん、鈴子さん、田中さん、ありがとうございました。

この後は、村の方々も交えた懇親会に。とても楽しく、また今後につながるお話ができました。

さてこんな感じで、ワークショップ含め70名近い方にご参加頂いた今回のフェス。皆さん本当にありがとうございました。
来年はぜひ、もっと多くの方に集まって頂けますよう、企画を練りたいと思います。

尚、今後とも、愛称は「栃原ROCKフェス」で!

藤山先生、おめでとうございます。

藤山龍造先生講演会の写真
こちらは2014年に、当村で講演された様子です。

当館の活動や、栃原岩陰遺跡の調査研究にも深く関わっておられる、明治大学文学部の藤山龍造先生が、この度「第6回角田文衛古代学奨励賞」を受賞されました。内容は栃原岩陰遺跡の砥石と骨角器の関係を論じたものです。
おめでとうございます!

さて、その藤山先生も登壇される「栃原岩陰遺跡フェスティバル2016」、いよいよ開催が近づいてまいりました。こちらにも、ぜひ足をお運び下さい。

栃原岩陰遺跡ファン感謝DAY 栃原岩陰遺跡フェスティバル 2016 TOCHIBARA ROCK FESTL2016 shelter site 君は、海を見たか。開催日時 10月9日 日曜日 13時 集合場所 北相木村中央公民館 スペシャルゲスト 町田賢一(公益財団法人富山県文化振興財団埋蔵文化財調査事務所) きしわだ自然資料館の皆さん レギュラーゲスト 藤山龍造(明治大学文学部准教授) 総合司会 藤森英二(北相木村考古博物館学芸員) 参加フリー 13時~13時50分 基調講演「海から見た縄文時代」町田賢一 14時~14時40分 トークセッション「栃原岩陰遺跡の人々は、海を見たか?」町田賢一・藤山龍造・藤森英二 15時~16時30分 縄文体験(弓矢体験、縄文食の試食等)博物館の見学(説明有り・当日入館無料) 要電話予約 15時~16時 ワークショップ「貝殻のペンダント作り」 指導 きしわだ自然資料館の皆さん 18時~20時 縄文のタベ(考古学者との交流食事会) 長者の森・ロッジ泊 フェスティバル会場 北相木村中央公民館(北相木村考古博物館隣接) 《諸注意》講演会・縄文体験は無料でご参加頂けます。申し込みは不要です。『貝殻のペンダント作り」「交流食事会」にご参加頂く場合は、事前の申し込みが必要です。長者の森宿泊1人8,000円 (9日夕食、10日朝食込み)」 参加人数により、各体験に時間や人数の制限を設ける場合があります。その他、都合により内容が異なる場合がございます。ご了承ください。 問い合わせ・申し込み先 北相木村教育委員会 0267-77-2111 博物館プログ http://vill. kitaaiki.nagano.jp/museum2/ e-mail kyouikuinkai@vill. kitaiki.nagano.jpと記載のチラシ

進展する栃原岩陰遺跡の研究

栃原岩陰遺跡についての話し合いの写真

9月9日の『信濃毎日新聞』において、当館の取り組みと、「栃原岩陰遺跡フェスティバル2016」についてを記事にして頂きました。ありがとうございました。

そこにもありましたように、現在村教育委員会では、栃原岩陰遺跡の正報告書刊行に向けて、様々な作業や調査を行っています。

そのような中、先日「明治大学黒耀石研究センター」の皆様が来村し、当館の栃原岩陰遺跡出土資料を見学され、一部について、最新の研究方法を試されました。わずかな調査でも、新たな事実が次々に明らかになり、報告書作成への弾みとすることが出来ました。

今後も両者が連携しながら、栃原岩陰遺跡の数々の謎に挑んでいければと思います。

栃原岩陰遺跡を機材で調査している写真