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栃原岩陰遺跡の土器から、マメ発見!

種子圧痕が発見された土器片

7月16日の『信濃毎日新聞』でも取り上げて頂きましたが、栃原岩陰遺跡出土の土器片から、マメ科に属する種子圧痕が発見されました。

圧痕というのは、土器の表面にみられる小さな孔などを指し、これにシリコンゴムを流し込んで顕微鏡などで観察すると、植物の種などが含まれていることが分かってきたのです。
これは圧痕レプリカ法と呼ばれる研究で、これにより、縄文時代にマメ類(アズキやダイズの仲間)、シソ(エゴマ)など、食料にすることの出来るものが、彼らの身近にあったことが分かってきました。さらに、このような植物を栽培していた可能性も指摘されています。

北相木村教育委員会では、現在栃原岩陰遺跡の遺物整理作業を行っていますが、この度「明治大学黒耀石研究センター」と「土器種実圧痕研究グループ」の調査により、全部で6点のマメ科の種子圧痕が見つかり、そのうち2点はアズキ亜属とダイズ属であると分かりました。
土器は縄文時代早期のはじめ頃(およそ11,000〜10,000年前)のものと思われ、現在全国各地で見つかっているマメの圧痕としてもかなり古いものと予想されます。
今後の縄文時代研究で、注目されるかもしれません。

写真は、放射性炭素年代測定でおよそ10,800年前とされ、ダイズ属と思われる種子圧痕が発見された表裏撚糸文土器です。
左上の小さな孔が、種子圧痕になります。

尚、詳しい報告や展示についての情報は、随時このブログでも紹介していきます。

臨時休館のお知らせ(6月3日午前中)

平成29年6月3日、庁舎電気設備点検作業により、午前中(9時〜12時)臨時の休館とさせて頂きます。
ご理解のほど、よろしくお願い申しあげます。

北相木村考古博物館

栃原岩陰遺跡フェスティバル2017 開催のお知らせ

ご好評を頂いております、栃原岩陰遺跡フェスティバル(通称、栃原ROCKフェス)、今年の開催日程決定しました。今回は、なんと、2回!

主な内容

第1日 10月21日 土曜日

  • 事例報告 日本中部の洞窟遺跡最前線
    谷口康浩(國學院大学) 群馬県長野原町居家以岩陰遺跡の調査
    佐藤雅一(津南町教育委員会) 新潟県魚沼市黒姫洞窟遺跡の調査
    山田昌久(首都大学東京) 長野県小海町天狗岩岩陰の調査
  • スペシャルセッション 洞窟岩陰遺跡から何が分かるのか
    主に縄文時代を中心に
    • ゲスト
      谷口康浩(國學院大学)
      佐藤雅一(津南町教育委員会)
      山田昌久(首都大学東京)
      藤山龍造(明治大学)
    • 司会
      藤森英二(北相木村教育委員会)
  • ワークショップ 貝殻で作るアクセサリー 他

第2日 11月3日 金曜日

  • 特別講演(村文化祭講演会) ヨーロッパの洞窟壁画(仮)
    講師 五十嵐ジャンヌ(東京藝術大学)
    世界遺産ラスコー洞窟の壁画や、ヨーロッパ各地の洞窟遺跡から見えてくる、人類の英知とは?
  • ワークショップ 洞窟壁画を描く

開催場所

北相木村考古博物館・中央公民館

その他詳細、変更点は、随時このブログにアップします。たくさんの方のご参加をお待ちしております!

↓下の画像もクリックし、ご覧下さい。

TOCHIBARA ROCK shelter site FESTIVAL 2017 日本の洞窟遺跡と世界の洞窟遺跡のチラシ ・第1日と第2日、どちらかのみの参加も可能です。10月21日夜は、ロッジ長者の森にて講師の先生方との懇親会を行います。参加希望の方は、お問い合わせ下さい。 (宿泊料込み 8,000円・懇親会のみ4,000円の予定) ・都合により内容等に変更の可能性もあります。ご了承ください。 北相木村教育委員会 担当 藤森英二 0267-77-2111