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栃原ROCKフェス2018・山の弥生人をリスペクト!

恒例となりつつある、栃原岩陰遺跡フェスティバル、通称栃原ROCKフェス
その主役である栃原岩陰遺跡(国史跡)は、縄文時代早期がもっとも活発に利用されていたと思われますが、
実は弥生時代の土器が3点、1999年の調査で出土しています(下写真)。

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そこで、縄文ブームと呼ばれる今年、あえて弥生時代の問題を取り上げてみました。 テーマはずばり「山間部の弥生時代」。この分野のエキスパート、下呂市教育委員会学芸員の馬場伸一郎先生を講師に迎えて 「教えて馬場さん 山の弥生人て、なにやってたの?」というタイトルで開催することとなりました。

10月20日、当日。
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講師の馬場先生は、かつては長野県にも住んでおられ、佐久地域を中心とした弥生時代の研究もされています。
基調講演の中では、その経験とこれまでになされてきた調査研究の蓄積を駆使して、水田も無くわずかな遺物しか残さなかった山岳地域の弥生遺跡が、人の埋葬地やシカの解体場所として、実は平地の大集落とも関連しながら存在した可能性を示して下さいました。
また、当日残念ながらお越しになれなかった小山岳夫先生からも、標高930mにある栃原岩陰遺跡を含む山間部の弥生遺跡が、交通や流通に必要な場所だったというご意見を頂戴しました。
考古学的にはあまり取り上げられない高冷地の弥生時代。しかし、教科書の記述では描ききれない歴史の中で、しっかりと意味を持つ場所として、存在していたのです。
私たちの地域の歴史を学ぶ意義が、また一つ具体的に見えてきました。


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講演の様子。村内外から総勢60余名の方にお集まりいただきました。各地で多数のイベント開催の中、足をお運び頂き誠にありがとうございました。

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また、ワークショップに用いた、弥生時代の道具(写真上・石包丁、木包丁、鉄製斧、磨製石斧)については、大阪府立弥生文化博物館から、実際に木に振り下ろした磨製石斧(写真下)は、富山県朝日町まいぶんKANから借用させて頂きました。この場にて、お礼申し上げます。

ワークショップの様子
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石の斧で木を切る!

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石包丁は切れ味抜群!

 

おまけ
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おもしろ対談?山の縄文人 vs 山の弥生人。実は大学の同期である、馬場先生と当館学芸員。
途中、ついつい呼び捨てにして、すみませんでした。

(写真撮影協力・芹沢一路氏)

北相木村考古博物館
学芸員 藤森英二

栃原ROCKフェス・今年は弥生だ!山の中の弥生だ!!

開催が近づいてまいりました。栃原岩陰遺跡フェスティバル2018
今年は縄文ブーム?の中、敢えて弥生で挑みます。
下呂市教育委員会の馬場伸一郎氏をゲストに迎えて、
山の弥生時代を考えます。
10月20日、ぜひお越しください!

 

TOCHIBARA ROCK shelter site FESTIVAL 2018
教えて馬場さん 山の弥生人て、なにやってたの?

【10月20日(土)】13:30~16:00
★基調講演(13:30~)
山の中の弥生時代
講 師 馬場伸一郎(下呂市教育委員会学芸員)

★おもしろ対談(14:20~)
山の縄文人vs 山の弥生人 馬場伸一郎×藤森英二 

★ワークショップ (15:00~16:30)
弥生時代の道具を使ってみよう
石包丁や石の斧で、弥生人にチャレンジ!弓矢もあるよ。

★開催場所:北相木村考古博物館・中央公民館    

・ 申し込み不要、参加費は無料です。
・ 当日は北相木村考古博物館を無料でご覧頂けます。
・ 10月20日夜は、ロッジ長者の森にて講師の先生方との懇親会を行います。参加希望の方は、お問い合わせ下さい。
(宿泊料込み8,000円・懇親会のみ4,000円の予定)
・ 都合により内容等に変更の可能性もあります。ご了承ください。

 

児童向け、マンモスと土偶に挑戦!?

 夏休み、当教育委員会では、数年前から児童預かりをしております。担当者M君は超頑張っています。私(学芸員)も少しだけ手伝いをしますが、昨日は子供たちと一緒に、「マンモスの壁画を描く」と「土偶を折紙で作る」をしてみました。

 マンモスの壁画については、昨年、当館で五十嵐ジャンヌ先生に教えていただいたワークショップをもとにしています。
 今回は、はじめに模型を見ながらマンモスを描いてみて、そのあと旧石器人の描いたマンモス壁画の特徴を伝えながら再度描くという方法をとってみました。
 相手は小学校4年生以下でしたが、これが旧石器時代と呼ばれる時代のヨーロッパの洞窟壁画をもとにしていることも説明しながらです。マンモス(ケナガマンモス)という生物の説明もします。氷河期という言葉も使います。

マンモスを描く 

 全部は理解できないかもしれません。しかし私は、このレクチャー部分も重要と考えています。

 土偶については、縄文時代の説明からです。台所の鍋と縄文土器の関係、土偶と埴輪は別である、国宝ってなに?もちろん質問が出れば、精一杯答えます。
 色々と制約もあり、粘土ではなく折紙という手法ですが、作る喜びも体験してもらえればと。なお、土偶の折紙については、『折る土偶ちゃん ー作って発掘・縄文おりがみ』(朝日出版社・文:譽田亜紀子/折り紙+装丁:COCHAE)を参考にさせて頂きました。

土偶の折紙

 当博物館では、常時ワークショップなどを行う余裕がありませんが、学ぶ大切さを伝えることは、忘れずにいたいと思います。